集中のメカニズムを知ろう!

集中のメカニズムを知ろう!

集中ってなに?という疑問をクリアしたら、次は集中のコツをつかむための第一歩として集中のメカニズムについて考えてみましょう。集中のメカニズムがわかってくると、自分の集中力をコントロールするのに役立ちます。

集中しているときの頭の中

集中しようとしている自分をちょっとイメージしてみてください。意識を一点に集めているときって、頭の中でなにかが起きていそうな感じがしますよね。アクセルを思いっきりふかせばエンジンの回転数が一気に上がるように、集中しようとすると頭の回転数が一気に上がってくると思います。実はそのとき頭の中では2段階のステップを踏んでいるんです。それを「トップダウン型注意システム」と呼びます。
1段階目では、視覚に入ってくる情報から注意を向ける標的を決めます。2段階目は、決定した標的に注意を向けます。これは、カメラのピントを合わせているような感じに似ているかもしれませんね。多くの人が経験していることですが、いったん集中しはじめるとまわりの音や光などが気にならなくなることがあると思います。本当はかなりザワザワしているはずなのに、まるで耳栓でもしているかのように音が聞こえなくなってしまいます。そのような状態を「フロー状態」と呼びます。ゲームや読書の時間が自分では1時間ぐらいかな?と思っていたのに、実は何時間も経過していたなんていうのもいわゆるフロー状態です。

集中が途切れたときの頭の中

意識を集中しようとしているときに頭の中で起こるのが「トップダウン型注意システム」なのに対し、集中が切れたときに頭の中で起こるのが「ボトムアップ型注意システム」です。ボトムアップ型注意システムは、注意を向けるかどうかを判断する脳の仕組みです。最大の特徴は、なにに注意を向けるかを自分でコントロールできないところです。例えば、すごく集中していて音も光も感じない状態のときに、ひときわ大きな音やまぶしい光の刺激が加わったとしましょう。ものすごく集中しているような状態でも、強い刺激があればさすがに気づきますよね。パトカーのサイレンとか、人の叫び声とか、なにか異常なことが起きた場合にはパッと集中が切れてそちらに意識が向くはずです。これこそがまさにボトムアップ型注意システムです。
外部からの刺激は自分でコントロールできないので、ビックリして反応してしまうのが普通です。そうしていったん集中が途切れてしまうと、再度集中するまでには25分ほどかかるのだとか。集中しているときに話しかけられたりして集中が途切れると、なんだか気が抜けたような状態になりますよね。そう考えてみると、集中するためには環境がかなり重要だということがわかります。

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